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特例法の外観要件、手術なしでも満たされるとの判断(広島高裁)

性同一性障害特例法の外観要件について、2024年7月、広島高裁での判断が示されました。


同法では、生殖能力がないこと(不妊化要件)、変更後の性別の性器に似た外観を備えていること(外観要件)が、戸籍上の性別を変更するための要件とされていました。


このうち、不妊化要件については、最高裁が昨年(2023年)10月に、違憲と判断しています。


一方、外観要件については高裁に差し戻されおり、その広島高裁の判断が示されました。

広島高裁は、「手術が必要ならば、体を傷つけられない権利を放棄して手術を受けるか、性自認に従った法的な扱いを受ける利益を放棄するかの二者択一を迫る過剰な制約を課し、憲法違反の疑いがあると言わざるをえない」と指摘。そして、「他者の目に触れたときに特段の疑問を感じない状態で足りると解釈するのが相当だ」とし、手術なしでも外観要件は満たされるという考え方を示しました。その上で、申立人(戸籍上の性は男性で、女性として社会生活)はホルモン治療で女性的な体になっていることなどから、性別変更を認めました。


外観要件自体が違憲とされたわけではありませんが、外観要件の判断の枠組みが示されたことで、各地の裁判所における審判等に影響があると考えられます。関係省庁や立法府の動きにも注目したいところです。

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